お知らせ
2023年02月01日
明治の時代に男女同権を唱えた福沢諭吉翁。2月の献立表です
福沢諭吉翁といえば、慶應義塾の創始者で、約40年の長い間一万円札の顔として親しまれ(来春から渋沢栄一翁へ)、著書“学問のすゝめ”での「天は人の上に人を造らず 人の下に人を造らず」の一節は多くの人に知られるところです。
また翁は、「天は人の上に・・・」の平等論とともに、家父長制の強固な明治の頃とは思えない男女や夫婦についての考えも次のように語っています。
「男女格別に異なるところはただ生殖器官のみ。体質に微塵の相違はなく、男子のなすことで女子にできないものはない」と生殖器以外に男女間に異なるところはないとし、「尊卑の別なく夫婦平等に家事を分配し、財産は共有すること。相互いに親愛し、相互いに尊敬すべき」で、「妻を一人前の人として夫婦同等の位に置き、いつなんどきどんなことでも妻に伝え、相談すること。時として内外のことで意見の合わないときは議論するのが大事」と語っています。また、「女も男も同じ人間なのだから、同様の教育を受ける権利がある」と主張し、女性に対しても「女とて家の中にばかり居るにあらず、自由自在に外に出て、男女の別なく立派に付き合いをすべきである」と勧めました。
実際に諭吉は、激務の中にあっても妻を後生大事にし、ひとりの妾も置かず、四男五女の子供にも一切手を上げたりせず、等しく愛情を注いで育て上げ、時には家族旅行にも行き、妻や子に按摩をしたりジョークを言って喜ばせるアットホームなマイホームパパでした。(“福翁自伝”より)
残念ながら現代日本では、有名政治家、・・・、・・・などからいまだに女性蔑視発言が絶えません。最新の調査における男女平等の度合いをはかる「ジェンダーギャップ指数」は、日本は世界146カ国中116位でした。
久敬社は、旧唐津藩の小笠原家当主・小笠原長行公により産声を上げてから145年、長生公による寄宿舎創設からは137年が経とうとしています。3年前には首都圏での学びを求めて上京する女子学生への門戸開放を決め、塾舎改修やセキュリティをはじめ環境整備に出精して、2年前の2021年から女子学生の受け入れをスタートしました。
大きな期待と少しの不安の中で迎えたドラマティックなあの春から、もう2年が経とうとしています。男子学生だけだった頃の久敬社では思いも寄らなかった新風が吹き、新しいコミュニティが生まれています。どの塾生も男女・同期・先輩後輩間のコミュニケーションを大切にしつつ、自分自身や自分の時間をしっかりと持って学びに励んでいます。また、学生を受け入れる側としては、男子も女子も入塾希望者が絶えなくなって嬉しい悲鳴を上げています。
来る4月には、女子3期塾生を迎えることになります。
小笠原翁は、どんなお顔をして空のうえから眺めていらっしゃるでしょうか。