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2022年09月25日

飯くらわんか!! 10月の献立表です

飯くらわんか!! 10月の献立表です

飯くらわんか!、酒くらわんか!

東南アジアなどの国々では、フルーツや魚、ライス・麺類などの軽食が水上で盛んに売り買いされています。
江戸時代の日本でも、淀川の京都~大阪間を往来する大型の船に鍵爪を引っ掛けては近寄る小舟がいました。小舟には男2人が乗り、「飯くらわんか!、酒くらわんか!」と乱暴な声を張り上げ、ご飯や汁物、酒などを大型の船客に売りつけていました。いわゆる煮売り舟、俗称“くらわんか舟”です。

その煮売り時に使用された器が“くらわんか碗”です。船の揺れで転ばないように厚手で重心が低いのが特徴の、一見するとごくありふれた粗末な磁器に過ぎません。食事のあとは小舟に返却するルールになっていましたが、支払いを誤魔化すために川に投げ捨てる船客もいたようです。後に川底から多数発見され、高額で取引されるものもありました。

無我の境地で作られたものの美しさ

この“くらわんか碗”。シンプル極まりなく、何の匠気も、何の作意も見られず、粗雑とさえ感じられる手練れの末のお碗です。窯の名前はもちろん職人の名も刻まれていません。名を後世に留めようなどと考える職人はおらず、ただ平生の仕事が平生のまま満足無事に終わりさえすれば、それでよし。哲人というべき境地に達していたと思われます。器は澄み切って美しく、もはや無心に作られたものの美しさしか残り得ない底知れぬ魅力を放っています。

いわゆる大家とか陶芸家と称される方たちの作品があります。作品の中でも、肩に力の入っていない、奇をてらっていない、制作意図の見えない器に巡り合えることがあり、これらにこそ、極上かつ深遠な美しさを感じます。惚れ惚れします。概して茶道に使われる碗が多いです。茶道の精神が作り手にも乗り移ったのでしょうか。

ゾーンに入る

アスリートの口からよく聞かれる“ゾーンに入る”という言葉。集中力が極限まで高まり、自分の感覚だけが研ぎ澄まされ、ひとつの活動に没頭している特殊な意識状態を指します。厳密には、意味や使い方の点で異なるところがありますが、“無心”や“無我”とほぼ同様の状態です。

塾生や受験生の皆さんは、これまでの様々な生活や活動の中で、無心になったりゾーンに入ったりした経験がどれだけあったでしょうか。タイパ(タイムパフォーマンス)やコスパ(コストパフォーマンス)を常に考えて行動しているZ世代の皆さんですから、倍速や3倍速で濃密な時間を過ごしてきたと推測します。無心の時間や瞬間をより多く体現することで、充実感を味わい、上質な成果を上げてほしいと願います。

(おまけ) イメージの詩

♪誰かが言ってたぜ 俺は人間として ♪自然に生きているんだと
♪自然に生きているって わかるなんて ♪何て不自然なんだろう

これは、今年末での音楽活動引退を宣言した吉田拓郎さんが1970年のデビューシングル「イメージの詩 」に書いている歌詞の一片です。自由を無心に置き換えると、「無心でやっていますよ」と自ら口に出すことは、「無心になれていないよ」ということなのでしょうね。

本題~ 10月の献立表

さて、献立表はコチラです。
スペシャルメニューは28日の金曜日の夕食
メニューは「秋野菜の天ぷら盛り合わせ」と「ミニ鴨南蛮そば」と「秋のチラシ寿司」と「デザート」です。

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