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2022年10月25日

伝統行事を後輩たちへ伝承し、実り多き秋日和となりました

伝統行事を後輩たちへ伝承し、実り多き秋日和となりました

私たちは伝えなければならない

佐賀県唐津市伝統の秋祭り「唐津くんち」は、3年ぶりにコロナ前と同じ規模での開催が決定されました。一方、久敬社では、コロナ感染予防に万全を期して、今年も同郷人懇親会(東京からつくんち)を取り止め、有楽自治会(千代ヶ丘地区の自治会)と40年以上共催してきた有楽こども曳山祭り(千代ヶ丘祭)も中止となりました。

3年連続の中止で、現在の4年生や院生等が来春卒塾すると両行事の経験者がいなくなることから、来年以降への継承に備え「実際に赤獅子を組み立てて台車に載せてみよう、お囃子の稽古の成果を発表しよう」ということになり、OB有志の参集も得て23日に実施しました。

悪戦苦闘の組み立て作業

塾生間で話し合い、男子塾生は赤獅子の組み立て、女子塾生は法被の洗濯を主担当としました。さらに、記録班を設け、赤獅子の組み立て方を動画と写真に撮って残すことにしました。

先ず台座の組み立てです。台座のミニチュア模型を何度も見ながら組み立てました。台座を台車にのせてロープで固定するのは、引継ぎ用に残されているアルバムの写真を見ながら。OBの協力もあり、やっとできました。

次に声を掛け合って台座に赤獅子を乗せ、ロープで固定しました。鉦をロープで吊り下げたり、幕を張ったり、皆の力を合わせてようやく組み立て作業は完遂しました。後輩たちは、先輩塾生の動きをよく見つめ、話に耳を傾け、手伝いながら学んでいました。

曳山囃子の披露に大喝采

無事準備が済むと、お昼の仕出し弁当を食べて、全塾生が法被に着替えて赤獅子の前に集合しました。くんち囃子の披露です。笛・鉦・太鼓の持ち場につき、「ぴーぃひゃーら ぴっぴっぴ、ドンドンドド ドンドンドン……♪」と始まりました。澄み切った青空を背に赤獅子が堂々たる姿で睨みを効かせ、大勢の塾生による見事なお囃子に、応援に駆けつけていたOBや町内の方々から大きな大きな拍手をいただきました。

久敬社だからできた初めての体験

お囃子の稽古は10月から火木土の週3回、21時~22時を必須とし、互いに教え合いながら稽古しました。空いている時間では自主練もしました。ある女子塾生は、「もっと稽古すればよかった」「法被を着たり、笛を吹いたり、赤獅子の頭に登ったり。上京前は絶対できなかったことが久敬社で初めて体験できて嬉しくて仕方ない」と話してくれました。
※写真下は初めて曳山の頭に乗ってはしゃぐ女子
また、1年生の男子塾生は、「先輩や同期との熱い一体感に感動した。ちょっと遠慮していたけど今日で正真正銘の久敬社の一員になれた気がする」とも。

有楽自治会として永く曳山を大切にしたい

この日の様子をご覧になっていた有楽自治会の前会長がおしゃっていました。
「12年前、中山さん(前々塾監)に久敬社の歴史を伺って、素晴らしい学生寮が町内にあることを知った。赤獅子の曳き廻しはこの町の祭りには欠かせないもの。月初に町内会報が出るが、11月は間違いなく今日の曳山組み立て継承の記事が掲載されるでしょう。」

また、今年が小笠原長行公生誕200年の年になり、唐津城での企画展に久敬社所蔵品も出展しているという話になると、「ポスターやチラシを町内の掲示板に貼りたい」と言ってくださいました。地域の方がこれまで以上に久敬社を理解し、塾生を見守ってくれる一助となれば大変ありがたいと思います。

今も昔も行事が育む塾生魂

当日参加したOBから次の感想が寄せられました。原文のまま紹介します。
『女子塾生が笛を吹いてる姿、太鼓を叩く姿、「これ私の笛にできんかな〜?来年もこの笛が良い〜っ!」と言ってたある女子の言葉に、10歳頃の自分の童心を思い出しつつ……。ふと、凄いことが起きているのでは、と思いました。
また一方では、院生や四年生のつなげたいという姿勢、それを熱心に聞いてる3年生たち、黙々と目の届かなそうなところをカバーする3年生のとある塾生や、まだもじもじしながら参加している低学年…などなど。時代は変われど、久敬社塾の塾生として育まれる意識の根っこみたいなものは、こういった行事によって育まれてきているのだな、と感じ入りました。』

この胸のときめきをあの娘に

秋風が吹くと、唐津っ子の頭の中ではくんち囃子が回りだし、ドド ドンドンドン!という太鼓の音がそれに拍車をかけて身も心もくんち一色に染まります。次世代へ継承するためのこの日の試みでしたが、半分おくんち気分に浸った塾生たちの中には、「絶対おくんちには唐津さん帰るけんな!」と意を決したものもいるはずです。

唐津んもんは好きなヒトができると、誰でん一番最初にくんちに連れて行きたがるですもんね。

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