アンナプルナの背表紙

「アンナプルナ」という山をご存知でしょうか、中学生の時理科の堀部先生から人類が始めて登った8000M級の登攀が非常に困難な山と教わりました。

受験宿泊で久敬社塾にお世話になることになり、試験当日、前夜緊張のあまり一睡も出来なかった私は「これまでの努力も水の泡か」と意気消沈しておりました、朝食ものどを通らず、涙目で食堂横の談話室の椅子でぼんやり出発の時刻を待っていました。

目の前の本棚に偶然「アンナプルナ」の背表紙が見えたので取り出し、数ページめくると前書きに『頂上への努力、絶対への努力のうちに、人は己に打ち勝ち、己を見出す・・・』そのときの心境は50年経った今でもはっきり甦ります。受験会場まで在塾生の先輩に引率していただき「がんばれよ」と背中をたたいていただきました。

名も知らぬ先輩が残していかれたであろうこの本、まだ久敬社塾の本箱に納まっていると思います。

個人的な感傷を披瀝しまして恐縮です。この出会いが私の理事長就任につながったと、思っています。

微力ながら恩返しのつもりで務めさせていただきます。

公益財団法人久敬社 理事長古賀 栄一

公益財団法人久敬社 理事長
古賀 栄一